「エンジニアのための図解思考再入門講座」/開米瑞浩

 エンジニアのための図解思考 再入門講座 情報の“本質”を理解するための実践テクニック
 ○
 新人さんが思考の整理法に悩んでいるようだったので、アドバイスできないかと読んでみた。
 書かれていることは、自分では無意識にやっていることが多かった印象。テクニックとして覚えた方がいいのは

  • ラベルをつける
  • 静的構造と動的構造を考える
  • 表(マトリクス)に整理する
  • 軸の中に違う種類の情報を混ぜない

といったあたりだろうか。
 

「ベネズエラ」/坂口安紀

 ベネズエラ-溶解する民主主義、破綻する経済 (中公選書 115)
 ◎
 ラテンアメリカ地域研究に携わる著者による、チャベス・マドゥロ両大統領政権下のベネズエラ社会の分析。
 かつては民主主義の優等生と見られていたベネズエラが、チャベス登場以後どのように変わっていったかを追う。
 権威主義、独裁主義、経済の低迷、治安の悪化…。
 それが他国の問題として片づけられないのは、民主的な選挙が実施されている日本でも容易に起こりうる事態だからだ。
 あとがきより抜粋

…(略)21世紀に入ると、世界各地で民主主義に影が差しはじめた。…(略)…政権奪取を狙うクーデターではなく、選挙で国民の負託を受けた政権担当者(大統領)みずからの手によって、民主主義が弱められている。それはベネズエラや南米諸国、途上国に限った話ではなく、米国や先進諸国でも兆候がみられる。日本はどうだろうか。…(略)

 政権選択選挙に投票することは当然のこととして、「選挙で決めた政権だからその政策を支持しなければいけない」というような態度は破滅を招きかねない。国民(有権者)は、いつ何時、どれほど自分勝手な理由であっても、政権に「NO!」といえる権利を擁護し続けなければいけない、と思う。
 

「岳飛伝(十六)戎旌の章」/北方謙三

 岳飛伝 16 戎旌の章
 ◎
 物語も終盤となり、とみに老雄の昔語りのようなシーンが多くなった気がする。
 それはさておき、九紋龍史進ともあろう者の戦場での負傷が、あんな軽い描かれ方でいいのか? いや、これは深手ではないということの暗示なのか。
 次巻の楽しみとしよう。
 

「危機と人類」/ジャレド・ダイアモンド

 危機と人類(上) (日本経済新聞出版)
 危機と人類(下) (日本経済新聞出版)
 ○
 人間が個人的な危機に陥った時にどう対処するか?といった心理学的な研究を、国家レベルの危機に適用しようとする試み。日本は明治維新の開国と、現代が取り上げられている。
 個人的な危機を克服する要因といわれているものが12個挙げられている。

  1. 危機に陥っていると認めること
  2. 行動を起こすのは自分であるという責任の受容
  3. 囲いを作り、解決が必要な個人的問題を明確にすること
  4. 他の人々やグループからの、物心両面での支援
  5. 他の人々を問題解決の手本にすること
  6. 自我の強さ
  7. 公正な自己評価
  8. 過去の危機体験
  9. 忍耐力
  10. 性格の柔軟性
  11. 個人の基本的価値観
  12. 個人的な制約がないこと

 国家の危機でも、これらの要因別に分析することで解釈が可能なのではないか、ということだ。例えば、5.は「他国の危機対応に学ぶ」、12.は「地政学的な制約条件がないか」といった具合だ。