オリンピア1996 〈冠〉廃墟の光
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「ナチスの森で」のシリーズになっているので読んでみた。
確かに文体は違うし、商業主義オリンピックへの鋭い批判が前面に出ているが、シリーズとして特に違和感はない。
オリンピックの東京招致が決まったとき、まさに「大義なきオリンピック」と思ったものだ。著者にはこの調子で「オリンピア2021」をぜひ書いてもらいたい。
日別アーカイブ: 2025年6月12日
「スーフィズムとは何か」/山本直輝
スーフィズムとは何か
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概要をつかむにはまあまあ役立った。
師弟関係のたとえで「NARUTO」や「鬼滅の刃」を持ち出されても、私の守備範囲外なのであまり響かず(中東地域のアニメ好きの若者たちの理解の仕方の紹介、という意味は分かるが)。
以下のようなまとめ方は腑に落ちる。
…この世で起きたことのすべての意味はアッラーだけが知っている。ならば、スーフィズムの修行にとって重要なのは、「真理を理解する」ことではなく、「真理を得たいと志し、修行という旅を生涯にわたって続けていく」その過程そのものに価値を見出すことである。
(第十三章)
…スーフィズムは真理そのものよりもそれに至る過程を重んじるが、…
(あとがき)
ずっと前に読んだ「火蛾」を再読したくて、その前にスーフィズムを確認しておきたかったのだ。