数の発明
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人類が生まれながらに識別できる数量は、「1」「2」「それ以上」程度のもので、3以上は文化的な伝承により後天的に身に着ける能力らしい。
地球上のあまりにも多くの言語(話者は少ないが)において、数のとらえ方が様々である例を見せられると、「数学は宇宙の真理であるから、宇宙人との意思の疎通のきっかけにもなるだろう」等という考え方も、素朴な誤りに思えてくる。
日別アーカイブ: 2022年8月8日
「五日市憲法」/新井勝紘
五日市憲法
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大日本帝国憲法の発布前に、各地で私擬憲法の草案が作られた。その中に「五日市憲法」というものがあるとは聞いていた。
よく普通に紹介されるので、発表当時から有名な草案なのかと思っていたら、著者が1968年に発見したのだという。割と新しい昭和の発見だったわけだ。
著者がそこから研究に携わるようになった半生を振り返る良書。
「シュメール人の数学」/室井和男
シュメール人の数学
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予備校講師の市井の研究者が、楔形文字で書かれた古代の数学を読み解く。
楔形文字が読めるようになっていることがすごいし、数学の知識で古代人の思考とつながっているのも面白い。本物の研究者。