ミニヤコンカ奇跡の生還 (ヤマケイ文庫)
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中国・四川省の山に挑み、遭難した若者自身の著書。
アタッカー二人のうち一人は撤退下山中にたおれ、キャンプ地まで必死の思いでたどり着いた著者自身も、凍傷その他で重症・瀕死の状態だったという。体重が30kg台まで落ちていたというから、まさに生きていたのが奇跡というべきだろう。
擬音の描写などから、著者の文学的なセンスが伺える。
ただ、この遠征の計画や準備が本当に本書の通りの経過をたどったのならば、悲劇は起こるべくして起きたようにも思える。12名の予定が7名に減り、そのうち2人は経験の浅い女性隊員、となった段階で相当無理な計画になってしまったのではないだろうか。