網野善彦対談セレクション(1) 日本史を読み直す
◎
対談集なので読みやすいが、中世日本の基礎知識があればもっと面白いだろう。充実した脚注に助けられた。
東国にヤマト朝廷とは別の政権が樹立され、「日本列島=全部日本国」ではない、という世界線があり得たという話をツイッターで見て関心をもった。
縄文時代には「日本」なんてものはないし、中世でも北はアイヌ・南は琉球・中央部では群雄割拠の地方政権、というのが実態だったとすれば、「日本人はどこから来たのか」などという問いの立て方自体がおかしいのだ。
「中野ブロードウェイ物語」/長谷川晶一
中野ブロードウェイ物語
◎
サブカルの聖地、中野ブロードウェイ。しかしその上層が高級分譲マンションになっていることはあまり意識されない。住人や店主、関係者のインタビューを交えて、この建物がいかに成立し、当時はどのような位置づけであったのか、が明らかになる。著者も住人の一人であるとのこと。
「バトルランナー」/スティーヴン・キング
バトルランナー
◎
BackyardUltraの出走前に死のロングウォークを読みたかったが、入手できなかったので代わりに読む。
シュワルツェネッガーの映画は観ていなかったので意外と面白かった。
「母の記憶に」/ケン・リュウ
母の記憶に
◎
「重荷は常に汝とともに」が見事。
「羆吼ゆる山」/今野保
羆吼ゆる山
◎
描写が詳細でリアルなだけでなく、文章がうまい。失礼ながら、半生を北海道の山でワイルドに過ごした方の文章とは思えないほど見事だった。
読みやすく面白い。そして昭和初期の北海道の貴重な記録である。
「サはサイエンスのサ」/鹿野司
サはサイエンスのサ
著者の没後に刊行された完全版。表題はブラッドベリ作品のオマージュだろう。
もとはSFマガジンに連載されていたわけだが、私が雑誌を読んでいた時期とはかぶっておらず、読んだ記憶はない。
読みやすい口語体で科学や社会のあれこれを語るエッセイ集。手元に置いておき、寝る前に一編ずつ読むのに適している。
「地球のはしからはしまで走って考えたこと」/北田雄夫
地球のはしからはしまで走って考えたこと
○
レース出場のための前泊中の時間つぶし用。こういう前向きなものが良い。
動画の見られるQRコード入りだった。
「もののあはれ」/ケン・リュウ
「マイノリティ・リポート」/フィリップ・K・ディック
マイノリティ・リポート
◎
表題作は映画とは結構筋が違う。根幹のアイディア(プレコグによる犯罪予知とその齟齬)をもとに組み立て直した感じだろう。
「追憶売ります」こちらはトータル・リコールの原作だが、これも映画とはだいぶ異なる。
「スポーツウォッシング」/西村章
スポーツウォッシング なぜ〈勇気と感動〉は利用されるのか
◎
第九章、山口香さんへのインタビューが素晴らしい。
「エンハンストゲームズ」の捉え方も聞いてみたい。