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「日本人と山の宗教」/菊地大樹

 日本人と山の宗教 (講談社現代新書)
 ○
 修験道や千日回峰行の解説かな?と思って読んでみた。
 縄文・弥生から日本に根付く山岳信仰があるのかとなんとなく思っていた(そんなにハッキリと考えたことがあるわけではない)が、そうではなく、割と新しい時代の仏教伝来の影響が大きいらしい。
 山の頂上を目指すという意思もかなり時代が下ってからのことで、むしろ裾野・里山が宗教活動の場になっていたようだ。
 越生の黒山がかなり大きな勢力を持っていた時代があったと取り上げられている。
 

「アルキメデス『方法』の謎を解く」/斎藤憲

 アルキメデス『方法』の謎を解く (岩波科学ライブラリー)
 ○
 なんとなく手に取ってみたところ、アルキメデスの著作の一部(写本)が、かなり近代になってから発見されていた、ということにまず惹かれた。
 そして、アルキメデスが図形の求積を行う過程で、微積分に近いところまで至っていた、ということも意外性があった。
 数学史という分野には、通常数学者に求められる論理的思考以外にも、幅広い知識が必要とされるようだ。
 

「エンジニアのための図解思考再入門講座」/開米瑞浩

 エンジニアのための図解思考 再入門講座 情報の“本質”を理解するための実践テクニック
 ○
 新人さんが思考の整理法に悩んでいるようだったので、アドバイスできないかと読んでみた。
 書かれていることは、自分では無意識にやっていることが多かった印象。テクニックとして覚えた方がいいのは

  • ラベルをつける
  • 静的構造と動的構造を考える
  • 表(マトリクス)に整理する
  • 軸の中に違う種類の情報を混ぜない

といったあたりだろうか。
 

「ベネズエラ」/坂口安紀

 ベネズエラ-溶解する民主主義、破綻する経済 (中公選書 115)
 ◎
 ラテンアメリカ地域研究に携わる著者による、チャベス・マドゥロ両大統領政権下のベネズエラ社会の分析。
 かつては民主主義の優等生と見られていたベネズエラが、チャベス登場以後どのように変わっていったかを追う。
 権威主義、独裁主義、経済の低迷、治安の悪化…。
 それが他国の問題として片づけられないのは、民主的な選挙が実施されている日本でも容易に起こりうる事態だからだ。
 あとがきより抜粋

…(略)21世紀に入ると、世界各地で民主主義に影が差しはじめた。…(略)…政権奪取を狙うクーデターではなく、選挙で国民の負託を受けた政権担当者(大統領)みずからの手によって、民主主義が弱められている。それはベネズエラや南米諸国、途上国に限った話ではなく、米国や先進諸国でも兆候がみられる。日本はどうだろうか。…(略)

 政権選択選挙に投票することは当然のこととして、「選挙で決めた政権だからその政策を支持しなければいけない」というような態度は破滅を招きかねない。国民(有権者)は、いつ何時、どれほど自分勝手な理由であっても、政権に「NO!」といえる権利を擁護し続けなければいけない、と思う。
 

「岳飛伝(十六)戎旌の章」/北方謙三

 岳飛伝 16 戎旌の章
 ◎
 物語も終盤となり、とみに老雄の昔語りのようなシーンが多くなった気がする。
 それはさておき、九紋龍史進ともあろう者の戦場での負傷が、あんな軽い描かれ方でいいのか? いや、これは深手ではないということの暗示なのか。
 次巻の楽しみとしよう。