「ベネズエラ」/坂口安紀

 ベネズエラ-溶解する民主主義、破綻する経済 (中公選書 115)
 ◎
 ラテンアメリカ地域研究に携わる著者による、チャベス・マドゥロ両大統領政権下のベネズエラ社会の分析。
 かつては民主主義の優等生と見られていたベネズエラが、チャベス登場以後どのように変わっていったかを追う。
 権威主義、独裁主義、経済の低迷、治安の悪化…。
 それが他国の問題として片づけられないのは、民主的な選挙が実施されている日本でも容易に起こりうる事態だからだ。
 あとがきより抜粋

…(略)21世紀に入ると、世界各地で民主主義に影が差しはじめた。…(略)…政権奪取を狙うクーデターではなく、選挙で国民の負託を受けた政権担当者(大統領)みずからの手によって、民主主義が弱められている。それはベネズエラや南米諸国、途上国に限った話ではなく、米国や先進諸国でも兆候がみられる。日本はどうだろうか。…(略)

 政権選択選挙に投票することは当然のこととして、「選挙で決めた政権だからその政策を支持しなければいけない」というような態度は破滅を招きかねない。国民(有権者)は、いつ何時、どれほど自分勝手な理由であっても、政権に「NO!」といえる権利を擁護し続けなければいけない、と思う。
 

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