月別アーカイブ: 2019年6月

「星と嵐」/ガストン・レビュファ+近藤等

 星と嵐 (yama‐kei classics)
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 アルプスの山岳ガイドであった著者による、1940年代の北壁登攀記録。グランド・ジョラス、ピッツ・バディレ、ドリュ、マッターホルン、チマ・グランデ・ディ・ラヴァレド、アイガー、と6つの北壁制覇が収録されている。当時、アルプス各峰の北壁は初登が果たされたばかりであった。
 訳文はやや硬いが、豊かな感受性を感じさせる文章だ。各章扉に登攀ルートの図が載っているが、もう少し詳しい説明付きだとありがたい。
 

「残念な職場」/河合薫

 残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実 (PHP新書)
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 ピーターの法則(組織に無能な上司が多い理由)が気になったきっかけで読む。

 働く人は評価されると、一つ上の階層に出世していく。そして、いずれは自分の仕事が評価される限界の階層まで出世する。(略)出世に伴って仕事の内容が変わりうまく適応できないこともある。
 (略)必ずしも管理職としての能力に長けているわけではないので、そのレベルで無能と化す

 なるほど。
 本書は日本の職場の様々な風習・事例を取り上げているが、その分析については典拠のある学説・論文に基づいている。主観で断定したわけではないところがいい。
 

「日本が売られる」/堤未果

 日本が売られる (幻冬舎新書)
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 日本が売られる。誰に? 「今だけカネだけ自分だけ」で突き進む者たちに。

 今私たちは、トランプや金正恩などのわかりやすい敵に目を奪われて、すぐ近くで息を潜めながら、大切なものを奪ってゆく別のものの存在を、見落としているのではないか。

 少なくとも、一般メディアの視点からは抜け落ちている部分だと思う。
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