「森の回廊」/吉田敏浩

 森の回廊―ビルマ辺境民族開放区の1300日
 ◎
 ビルマの少数民族ゲリラとともに、三年半にわたって森を巡った記録。
 従軍記者のような位置付けでありながら、戦闘の描写は少ない。しかし、著者が実際に巻き込まれた戦闘(というか、ビルマ国軍による一方的な爆撃)では、本気の危機一髪、危うく死ぬところという緊迫感。
 ともかく、文化・民俗・自然観察の描写が繊細、精緻で価値のある記録。
 

 やはり、こういう記録と公表・報道のために、たとえ危険な場所であっても取材に行く人は必要なのだ(著者の会った現地の人々も、「わしのことを忘れないでくれ」と口々に言うではないか)。特定の個人がその職務で失敗したり、成果を挙げられなかったとしても、決して責めるべきではない。「今回は残念だった。また次回に期待する」と励まし、情報獲得・取材のために行動した英雄として遇するべきだと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください