月別アーカイブ: 2018年11月

「NORTH 北へ」/スコット・ジュレク

 NORTH 北へ―アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道
 ◎
 ウルトラトレイルランナーの神、スコット・ジュレクによるロングハイキングの記録。
 「ハイキング」っていうとのどかなイメージだが、北米を縦断するトレイルを過去最速で駆け抜けようという、スポーツもしくは冒険である。
 40代になってレースでの限界を感じた著者が、新しいパートナーとともに、新たなチャレンジをしているわけで、「新しい人生観を切り開く」ような意味合いが本人にはあったようだ。これはこれで読み応えのある記録だが、「EAT&RUN 100マイルを走る僕の旅」のほうがジュレクのバックグラウンドが垣間見れて興味深い。そういえば、ダスティはATには参加しなかったのか? なんか寂しいな。
 

「ランニング登山」/下嶋渓+松本大

 ランニング登山: もうひとつの山登りの刺激的世界 (絶版新書)
 ◎
 トレイルランナーの先駆け、工学部の先生による「山を走る」ことの解説、説明書。理系らしく、グラフや一覧表でデータを示す。
 スカイランナーの松本大氏の座右の書だったらしい。1986年刊行の書籍の復刊。
 

「森の回廊」/吉田敏浩

 森の回廊―ビルマ辺境民族開放区の1300日
 ◎
 ビルマの少数民族ゲリラとともに、三年半にわたって森を巡った記録。
 従軍記者のような位置付けでありながら、戦闘の描写は少ない。しかし、著者が実際に巻き込まれた戦闘(というか、ビルマ国軍による一方的な爆撃)では、本気の危機一髪、危うく死ぬところという緊迫感。
 ともかく、文化・民俗・自然観察の描写が繊細、精緻で価値のある記録。
  続きを読む 「森の回廊」/吉田敏浩