プロジェクト・ヘイル・メアリー
◎
ファーストコンタクト後の宇宙人との共同作業編。
「マスードの戦い」/長倉洋海
マスードの戦い
◎
ソ連のアフガン侵攻に対抗したことで名を上げたゲリラ戦の英雄、マスード司令官。9.11の直前にその命を奪われる。
タリバン政権成立以前のアフガニスタンの状況を振り返ることができる。
「山怪実話大全」/東雅夫
山怪実話大全
◎
ちょっと玉石混交な感じもあるが、「焚火をかきたててからの話」/上田哲農の「ケルン」がよかった。
「朝日連峰の狩人」/志田忠儀+西澤信雄
朝日連峰の狩人
○
「黒部の山人」/鬼窪善一郎+白日社編集部
黒部の山人
◎
アルピニズムの普及以前から、日本アルプスの山域で狩猟などの山仕事を生業にしてきた最後の世代の語り。
語りが文字起こしされている(必要に応じてカッコで補足あり)なので、失われてゆく方言などの民俗学的記録としても貴重なのでは。
「一投に賭ける」/上原善広
一投に賭ける
◎
無頼派アスリート・やり投げの溝口の内面を描く一人称視点。これは著者との長い関係性が可能にする表現技術だ。
大変読みやすく、しかも、求道者の手引きにもなるような内容の濃い一冊。
「日本百低山」/小林泰彦
日本百低山
○
味のあるカラーイラストで低山ハイキングを紹介する紀行文。
私が訪れたことのある山は多くはないが、定番の高尾山の他、蛾ヶ岳、石割山、榛名山、棒ノ折山、岩櫃山などが懐かしかった。笠山、武甲山、御岳山、川苔山など、近年もトレラン等でよく訪れる山も掲載されている。
「親友は山に消えた」/小林元喜
「崑崙奴」/古泉迦十
崑崙奴
◎
デビューから20年以上を経た著者の2作目。エキゾチックな推理小説。
時代背景や道教の知識などが必要なので、読者に与えられる情報だけで謎解きするのは無理がある。読みやすく書かれている(難読漢語は多いが)ので、主人公たちの動きを楽しく追ってゆくタイプの楽しみ方ができる。
ちなみに崑崙奴、とは、南海諸国から連れてこられた奴隷だそうだ。崑崙山脈の方からではなく。
ラストシーンの超自然現象だけがちょっと引っかかる。著者はこのシーンで本作がファンタジーであることを示したのか、それとも、明記していないだけで実は合理的な説明を用意してあるのか、どちらなんだろうか。
「移民の宴」/高野秀行
移民の宴
◎
最近、経営管理ビザの資本金要件が500万円から3000万円に引き上げられた。これにより、街の外食店であるカレー屋さんやエスニック料理店などがなくなってしまう(外国人が店舗経営のために滞在することができなくなる)のではないか、と話題になっている。確かにそういう店の資本金は3000万円もなさそうだ。参考リンク
先日、イスラム教徒の日本への移民には反対、という人に出会った。「だって、スカーフで髪の毛を隠していなかったら、レイプしてもいい、っていう奴らですよ」などと、誤解・偏見も甚だしい(さすがに反論した)。
身の回りのそんな出来事へのアンチテーゼとして、日本国内で花開く移民たちの食生活を描いた本書を勧めたい、と思ったのだった。